パイプライン中のTeachale Moment

今日のブログは前回の続きです。
2010-09-21 - Kuniの「クラスファシリテーション(R)」奮闘日記


前回のブログを読んでもらえるとわかりますが、先日EFCの仲間のナオト主催の勉強会で、
「クラスファシリテーション」ワークショップを行いました。


その中で、パイプラインと呼ばれるアクティビティを行いました。
課題は、持っているパイプを使い、30個の玉(ビー玉、ゴルフボール、ピンポン玉など)を
45分以内に、所定の位置においてあるバケツに運ぶというアクティビティ。
一つでも落としてしまったらスタートからやり直し!


そんな条件で、パイプラインをスタートしました。
みんな真剣にパイプラインに取り組み、落としてしまうと「あぁ〜!」なんて声が出てました。


全員が並んでやったり、小グループに分かれてやったりと試行錯誤を続け
様々な形で挑戦していると、4人一組のグループになり、そのグループの中で
二人はメインに玉を交互に渡す役割になり、他の二人は落ちないように
フォローをするだけの役割をつくってやり始めました。


順調に玉を運んでいたのですが、開始から30分ほどたったときに、
Nさんが不満そうな顔をしながらフォロー役をやっていました。
フォロー役は、メインの人が動いたら直ぐにどかなければならないのですが、
Nさんはなかなか動かず、メインの人に「どいて!」と大きな声で言われていました。


すると、Nさんは「つまんないんだもん!俺も玉を転がしたいよ!」と仲間に訴えたところ、
他のメンバーは、「がまんしなさい!役割だから!チームのためだよ。」などと、
Nさんは声をかけられていました。しかし、Nさんは納得してその役割をやっていたのではなく、
いつの間にかその役割をやらされていたようで、表情は寂しそうでした。


僕はこの様子を見て、「チームって何だろう?」「みんなはどんなチームになりたいんだろう?」を
考える良いきっかけになると感じたので、一旦パイプラインを止めました。


僕は、Nさんがいるグループで起きていた状況をチーム全体に伝えました。
そして、みんなに「みんなはどんなチームになりたいか、考えてみて。」と伝えました。
「一人一人の気持ちはさておき、とにかく目標達成を目指すチーム」なのか、
「一人一人の気持ちを大切にしつつ、みんなで目標達成を目指すチーム」なのか。
20分程度みんなで話をしていました。


この20分の「対話」の中で、みんなは


2.一人勝手な子を受け入れる集団づくり
5.ストレートにこの集団にいてよかったと思えること。


この二つについて、考えることができ「自分達が目指すチーム像」を
みんなで共有することができました。


最終的には、みんなが満足して目標達成できるチームを目指し、
みんなで役割を決めて、再スタートしました。


再スタート時に、チームに改めて目標タイムを設定してもらいましたが、
残念ながら目標時間には達成することができませんでした。


しかし、この後の振り返りでは「パイプラインで、僕が止める前と
止めた後のチームの中での違いは何だろう?」「チームって何だろう?」
「リーダーシップって何だろう?」など、じっくりと1時間半以上かけて
みんなで考えることができました。


Teachable Momentを発見し、パイプラインを止めたおかげで
学びが深まっていきました!


これが、今回のワークショップで一番印象に残った瞬間です。


もっともっとゆっくりとみんなで話す時間が欲しかったなぁ。


くに