ヒデさん学級の6時間目

さて、昨日の宣言通り、今日はヒデさん学級の6時間目の授業について
書こうと思います。


昨日のブログを読んでいない人は、まずは昨日のブログを読んでください。
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先週の金曜日は1日中ヒデさんの学級を見学していました。


2時間目の授業では、ワールドカフェ風に1か月の振り返りと
これからの自分たちの行動について話し合いをしました。
話し合いの後に、各自が振り返り用紙に、1時間の振り返りをしました。


空き時間に、ヒデさんと振り返り用紙を見ていると、
「下の名前で呼び合えるようになりたい!」というものがありました。
それを見て、僕は「呼ばれたい名前を宣言して、覚える活動をしたら、
いいかもしれませんね。」なんて話をしていました。


時間は飛んで、6時間目!


6時間目の授業が始まる寸前、ヒデさんは何か考え事をしている様子でした。


6時間目の授業が始まると、子ども達に「机を端に寄せて、椅子を持って
教室の真ん中に円になって座ってください。」と伝えました。
その時間は「社会」と聞いていたので、「どんな社会をするのかな?」と
ドキドキわくわくしていました。


すると、ヒデさんは「2時間目の振り返りで、『男女の壁をなくしたい』とか
『下の名前で呼びたい』などがあったので、この時間は『自分の呼ばれたい名前』を
決めてもらいたいと思います。」と子ども達に伝えました。


子どもたちは、「え〜、どうしよう。」「恥ずかしいよ!」など口々に言っていました。


3分ほど「呼ばれたい名前」を考える時間を取り、その後トーキングスティック代わりの
ボールを円の中心に置き、言える人から自分の呼ばれたい名前を宣言してもらいました。


最初の子は、恥ずかしそうにしながらも「呼ばれたい名前」を教えてくれました。
呼ばれたい名前を言った人は、ボールを他の人に渡し、
ボールを渡された人が自分の「呼ばれたい名前」を言いました。


全員が自分の呼ばれたい名前を言う間の様子ですが、
すべてを書くと長くなるので、僕が気になったところを箇条書きで。


・男子は男子にしかボールを回さない。
・「○○星人」など、その場限りで笑いがとれるような名前を言う子。
・「なんでもいい。」と思い、自分で決めようとしない子。
・ボールが回ってくるのを拒否する子。
・悪ふざけをする子。


こんな時、皆さんはどうしますか?


僕は、この様子を見ていると、とても悲しい気分になっていきました。
一番悲しくなった要因は、「真剣に『呼ばれたい名前』を考えていない」というところ。


ヒデさんが「男女の壁をなくしたい!」「下の名前で呼び合えるようになりたい」という
気持ちを大切にしようと思って、「呼ばれたい名前」で呼び合えるようになれば
学級目標に向かっていけると思って、この時間を設定したのに、
子ども達にはそれが伝わっていなかったのが、とても悲しくなりました。


一通り自分たちの呼ばれたい名前を宣言した後、ヒデさんはお互いの名前を
覚えるアクティビティを行おうとしました。


しかし、「僕はこのタイミングを逃したらきっと後悔する。」
「せっかくのTeachable Momentを不意にしたら、きっとこの子たちのためにならない。」
と思い、心の中でヒデさんに「ごめんなさい!中断させます!」と言いながら、
子ども達に話をさせてもらいました。




僕が子どもたちに話したこと…


「次のアクティビティをする前に、もう一度真剣に『呼ばれたい名前』を
考えてほしい。『この場限りの呼ばれたい名前』ではなく、これから一生
呼ばれる名前だと思って、決めてほしい。20歳になった時の同窓会でも
呼ばれる名前だよ。本当に今のままでいい?僕はみんなが真剣に『呼ばれたい名前』を
考えているようには感じられなくて、とても嫌な気持ちになったんだ。」


「なんで、ヒデさん(子どもたちにもこう呼ぶように宣言したんですよ)が
この時間を設けたと思う?2時間目の振り返りで『男女の壁をなくしたい』とか
『下の名前で呼びたい』という声があったからだよ。
本当に今のままで『男女の壁』がなくなるのだろうか?」


「僕の今の気持ちを聞いて、呼ばれたい名前を変えたい人は、
ぜひもう一度真剣に考えてみてください。」


一字一句このまま言ったわけではないですが、僕が感じたこと、
みんなにお願いしたいことを伝えました。ここで大事にしたのが、
「だからダメなんだよ!」と評価するのではなく、僕の気持を
素直に伝えたというところ。




すると、再度シンキングタイムを取ると、「なんでもいいです。」と
言っていた女の子は、友達のところに行き相談し始めました。
その子だけでなく、各所で集まって相談が始まりました。


また、「○○星人」と言っていた子の一人は、僕のところに来て
「どうしても『○○星人』がいいの!」と伝えてくれました。
真剣に考えたうえで、「これがいい!」と伝えてくれたので、
「それじゃ、僕もそう呼ぶようにするね!」と伝えました。


再度、「呼ばれたい名前」を宣言してもらったのですが、
子ども達の雰囲気がガラっと変わり、今度は真剣モードで、
多くの子が呼ばれたい名前を変えていました。


「なんでもいいです。」と言っていた子ども達も、
自分自身で「○○」と呼んでください!と宣言していました。


長くなりましたが以上が、6時間目に起きたことです!
ヒデさん、こんな感じで間違いないですよね?


うれしかったこと。
・僕が真剣に伝えたことを、子ども達は真剣に受け止めてくれた。
・「どうしても『○○星人』と呼ばれたいんです。」と伝えに来てくれたこと。
・照れくさそうにしながらも、呼ばれたい名前を呼び始めたこと。
・宣言するだけじゃ覚えれないから、座席表の名前の下にみんなの
 呼ばれたい名前を書きこみ、人数分コピーしてくれたこと。
・もらった座席表を、自分の机に張り付けて、いつでも見れるようにしている
 子ども達がいたこと。
・真剣に関わろうとし始めたこと。


最初は照れくさいし、慣れないかもしれないけれど、
自分の呼ばれたい名前で呼ばれるってうれしいですよね!


ヒデさん、月曜日の午前中はどんな感じでしたか?


みなさんの呼ばれたい名前はなんですか?


Kuni